「続ける」を当たり前に、家トレ習慣化アプリの誕生秘話。

新規事業

UI/UX

クライアント名

クライアント名

株式会社できトレ

株式会社できトレ

プロジェクト期間

プロジェクト期間

2024-2025 (約12ヶ月)

2024-2025 (約12ヶ月)

役割

役割

PdM & UIUX

PdM & UIUX

家でのトレーニングを習慣化するフィットネスアプリ「できトレ」の立ち上げを支援しました。 「徹底的にユーザーに寄り添った顧客体験」と「ゲームのように楽しい習慣化の仕組み」を追求し、一般的なジムの30日継続率が5.1%にとどまる中、「できトレ」の有料ユーザーは56.3%を達成。App Store評価も4.6/5を獲得するまでに成長しました。

成果

【定性成果】
・新規プロダクト立ち上げをリード(リリース速度および顧客体験を向上)
・デザインシステム整備(プロダクトチームが自走してデザインできる環境を構築)

【定量成果】
・有料ユーザー30日間継続率 56.3% を達成
・App Store評価 4.7/5 を獲得

プロジェクト概要

【課題】
・プロダクトコンセプトが言語化されていなかった
・新規プロダクト立ち上げを推進するリーダーが不在だった
・デザイナー/開発リソースが不足していた

【実施内容】
・プロダクトコンセプトやペルソナを言語化/浸透し、「北極星」を定義。
・ロードマップを定義し、プロダクトバックログの要件定義・優先度づけ
・プロダクトチームの進行管理
・各種マーケティング/プロダクト施策の実施

創業者のご経歴

阿部 紀洋(Norihiro Abe)

株式会社できトレ代表取締役。「科学的に家トレで痩せる方法を日本一再現性高く配信する」ことをミッションに、YouTubeのチャンネル登録者数は21万人を突破し、指導実績は720人以上。 家でのトレーニングのみで、高松ベストボディジャパン2位、松山モデルジャパン1位、徳島モデルジャパン1位、西日本大会3位などの実績を残し、2024年にできトレを創業。

片岡悠人(Yuto Kataoka)

東京大学情報理工学科修士卒。同大学院時代はDNAの大規模データ解析を研究。2014年リクルートホールディングス入社。リクルートキャリアにて、新規事業案件の企画及び開発エンジニアを担当。2016年よりヘルスケアスタートアップflixyを創業し、2020年にJMDCへ売却後、2024年できトレを創業。

はじめに

今回、株式会社できトレの代表である阿部さんと共同創業者の片岡さんにインタビューを行い、ご支援内容に加え、創業のきっかけから事業成長の壁、そして未来への展望までを赤裸々に語っていただきました。

トレーニング習慣化アプリ「できトレ」の誕生

── まずは、創業のきっかけとなった原体験を教えてください。

片岡さん: ある日突然軽い鬱のような事態になってしまった時がありました。コロナによってずっと家でリモートワークしてたのが良くなかったかもしれません。その時、メンタルを立て直すために始めたのが筋トレでした。

朝起きるのが辛かったのですが、「とりあえず腹筋を10回だけやる」と決めて1ヶ月続けたんです。そうしたら「自分でもできるじゃん!」と自己肯定感が生まれて。筋トレのおかげでメンタルが回復できたこともあり、筋トレ自体が面白くなっていきました。

筋トレを勉強しようと阿部さんのオンラインサロンを見つけて入会し、そこでノウハウを広めたいと思うようになりました。個人開発でアプリを作ったのですが、なかなか広まらなくて難しさを感じている中、経営者飲み会で阿部さんと偶然出会ったんです。「筋トレでお世話になってます」と話しかけたのがきっかけで、意気投合し「一緒に筋トレアプリを作りましょう!」という話になりました。


阿部さん: 僕はオンラインでパーソナル指導をしていたのですが、どうしても1対1なので、指導できる人数に上限がありました。自分自身も家トレで体が変わった経験から、もっと多くの人にその価値を広めたいという思いがあったのですが、どうすればレバレッジを効かせられるのか悩んでいました。

そんな時に片岡さんと出会い、彼の「アプリを作って広めたい」という思いと、僕の「家トレの価値を広めたい」という思いがちょうど良いタイミングで重なったんです。僕自身も、かつて鬱っぽくなった時に筋トレに救われた原体験があり、その恩返しがしたいという気持ちが強くありました。

── 「できトレ」は、どのような課題を解決するために生まれたサービスなのでしょうか?

阿部さん: 筋トレって、「きついから続かない」というイメージが非常に強いですよね。トレーニングは、自分を追い込むためにやるものだと思っている人が多い。

だからこそ「どうしたら面白くできるだろう?」という視点で考えました。そのヒントになったのが、語学学習アプリの「Duolingo」です。ゲームのように楽しく学べる仕組みを筋トレにも取り入れたいと考え、「何よりも続く筋トレアプリ」をコンセプトに開発を始めました。


── サービス名「できトレ」に込めた想いは何ですか?

阿部さん: 誰もがトレーニングを「できる」ようになることを目指したい、という想いです。健康のために筋トレは歯磨きと同じくらい当たり前になってほしい。難しく考えずに、まずは始めてみてほしいんです。「こんな自分でも筋トレができた!」という原体験から、「自分にもできるんだ!」という自己肯定感を届けるために、この名前にしました。誰だって習慣化できるはずだ、というメッセージを込めています。

── 創業当初、最も大切にしていた価値観やビジョンは何でしたか?

阿部さん: 「日本の健康寿命を1歳伸ばす」ことをミッションに掲げています。世の中にはたくさんのジムがありますが、継続できている人は一部だけ。やる人はやっているけど、やれていない人は全然できていないのが現状です。家トレを文化にすることで、運動習慣のない人でも健康になれる仕組みを作りたい。それができトレの揺るがない軸です。

片岡さん: 「手軽に楽しく」というコンセプトもブラさずにやっています。筋トレはジムに行くもの、という認識がまだまだ根強く、手軽さが足りていません。最初はモチベーションが高くても、すぐにやめてしまう人が多いんです。だからこそ、スタンプや達成感を感じられる機能など、「楽しくなる仕組み」を徹底的に考えています。どうすれば習慣化できるのか、ユーザーの心理を深く考えてプロダクトに落とし込んでいます。


事業が向き合っていた壁

── 立ち上げ当初、サービスを成長させていく中で、どのような課題や壁に直面しましたか?

阿部さん: 「楽しくやる、ゲームっぽさ」というイメージはあったものの、具体的にどうすればいいのかが定まっていませんでした。

小倉さんに参画頂いて、Duolingoのような要素や、マップを進めるような機能をデザインとして落とし込んでもらった時に、初めて「これだ!」としっくりきました。また、最初はユーザーが自分でトレーニングを選ぶ形式でしたが、こちらからトレーニングを提案する形に変えたのも大きな変化でした。

片岡さん: コアな価値観を明確にしてくれたのが大きかったです。いろんなアプリの良いところを真似しようとしていたのですが、小倉さんに提案頂いた僕らが提供すべき「コアな価値」を定め、そこに集中してくれたことでプロダクトの方向性が定まりました。また、コンセプトの定義や要件定義、優先度の意思決定やバックログ管理などをまとめてくれたことも非常に助かりました。2人で開発しているだけでは、なかなかチームとしてまとまるのは難しかったので、非常にありがたかったですね。


参画による変化と成果

── サービス立ち上げ初期から、PdM・UI/UXデザイナーが参画した珍しいサービスだと思います。初期からUI/UXに力を入れることについて、どのような意味があると感じますか?

片岡さん: 僕はエンジニアなので、デザインを専門的に学ぶ機会がありませんでした。全てのサービスにおいて、ユーザーに喜んで使い続けてもらうためには、使いやすさ(デザイン)は非常に重要だと思っています。特にtoCサービスのできトレは、毎日の家トレを習慣化してもらうためのプロダクトなので、UI/UXデザインに力を入れることは必須だと感じます。

阿部さん: 筋トレには「キツそう」「続かなそう」というイメージがつきまといます。だからこそ、最初に「楽しそう!やってみたい!」と思ってもらえるようなUI/UX設計を意識しました。実際、できトレでは「マップを進める感覚」でトレーニングが進むので、きつさよりも「ゲーム感覚のワクワク感」が勝るような体験になっています。UI/UXはアプリのブランディングそのものであり、心理的ハードルを下げる最大の武器だと感じています。

── 創業当初と比べて、組織やプロダクトが「できてきた」「変わってきた」と感じることはありますか?

阿部さん: ありがたいことに、今では課金ユーザーも着実に増え、ユーザーからの評価も高まっています。少しずつですが、健康市場に対して“価値提供できている”という手応えを感じられるようになってきました。初期は「ゼロからの挑戦」でしたが、今は「期待に応えるプロダクトづくり」へと進化しています。

片岡さん: 実際にユーザーに使っていただいて、そのフィードバックをもらうと、そこにいろんな発見があり、そこからプロダクトが進化してきています。例えば、リリース当初はインストールしても一度もトレーニングをしないユーザーが多数いることがわかりました。それを元にアプリチュートリアル導線を改修したところ、ユーザーの定着率が大幅に向上しました。

── 専任のPdM・UI/UXデザイナーが参画したことで、特に「助かった」「変わった」と感じる点はどこでしょうか?

片岡さん: つい先日、アプリのトラブルで数時間トレーニングができないという事態が発生したのですが、多くのユーザーさんから「早くやりたい」と問い合わせをいただきました。トラブルを起こしてしまって申し訳ないと思う反面、「こんなにも多くの方が、できトレを利用、習慣化してくれているんだ!」と肌で感じ、嬉しさと身が引き締まる思いでした。

── 立ち上げ初期からUI/UXに力を入れた成果として、継続率も非常に高いと伺いました。

阿部さん: はい。一般的なジムの30日継続率は5.1%と言われていますが、できトレの有料ユーザーの30日継続率は56.3%と、非常に高い水準を保てています。

「何をやっても続かなかったのに、このアプリだけは続けられた」

こうした声をいただくたびに、まさに「できトレ」の存在意義を感じます。続けることが一番難しく、一番価値がある。だからこそ、ただの筋トレアプリではなく、「続けられる仕組み」を徹底的に考えてつくっています。


できトレが目指す未来

── 今後「できトレ」を通じて、どのような世界を実現していきたいですか?

阿部さん: 家トレを文化にしたい、というのが一番の目標です。これまで家トレという選択肢がなかった人たちに、家トレを選んでもらい、根付かせていきたい。ユーザーの行動変容を起こすことで、より多くの人が健康になれる未来を創りたいです。

片岡さん: 同じく、家トレを文化にする、というビジョンは変わらずに掲げています。トレーニングはまだデジタル化が進んでいない領域です。そこにITやネットワークを掛け合わせることで、新しい価値を創造していきたいです。健康市場は非常に大きいので、需要は間違いなくあります。その中で、多くの人に「続けられる」ものを提供し続けていきたいです。


── 最後に、この記事を読む方へメッセージをお願いします。

阿部さん&片岡さん: これからも“続けられる”を当たり前にできる世界を目指して、できトレを進化させていきます。 「できトレ」を通じて、世界に少しでも家トレ人口を増やし、健康を届けたいです。一緒に開発してくれるエンジニアやデザイナーも随時募集していますので、興味のある方はぜひお声がけください!

阿部さん&片岡さん: これからも“続けられる”を当たり前にできる世界を目指して、できトレを進化させていきます。 「できトレ」を通じて、世界に少しでも家トレ人口を増やし、健康を届けたいです。一緒に開発してくれるエンジニアやデザイナーも随時募集していますので、興味のある方はぜひお声がけください!

株式会社できトレに興味がある方は以下ををご覧ください
https://dekitore.notion.site/1fa426acbf6480a3af3efd50835a4923?source=copy_link

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